2005年01月23日

Do I Speak For The World by Gerald Levert

DoISpeakForTheWorld.jpg

日本で、というかR&Bマーケット以外では誰も話題にしないんだけど、コンスタントに活動し、R&B界では毎回しっかり売れる人。ルーサー・ヴァンドロスなんかもそんなところは多少あるが、その人気格差は、この人ほど酷くはなかろう。
ジェラルド・レヴァート。

80年代から活動するR&Bシンガー。紛れもない実力派シンガーだが、その「もっさり感」がよくないのか、日本ではまったく誰からも相手にされない。R&Bってのはやっぱりどこかオシャレだったりエロだったり、セックス・アピールがモノを言う。残酷なようだが、男の色気ムンムンだったテディ・ペンダーグラスが交通事故で下半身不随になった途端に急に魅力が無くなってしまったのは、R&Bというのがそういう音楽だからだと思う。
そういう意味ではジェラルド・レヴァートの存在というのは微妙である。世の中色々好みがあるにせよ、熊系の顔も、丸い体型も、決してかっこよくはない。これまでのジャケ写を見ればわかる通り、それは本人も充分に認識していて、変にかっこつけようとはしていない。
音楽的にも、彼の音楽は決して流行の音ではない。一応その時々でそれっぽいものを取り入れてはいるが、彼の音がその流行の中心に位置づくことはない。その中途半端なところがまた、日本で彼の人気が出ない理由だった。しかし今回はまったく流行を追いかけていない。基本。これでハズシようがない。

今回はインタールードを随所にはさんでアルバムの一体感が高まった。ミディアム〜スローが多いのはいつも通りの構成。
それにしても、なんでこれが売れないんだろう!というぐらい、質が高い。すべての曲が平均点以上の出来だ。実は彼の作品は94年の「Groove On」以来6作連続でR&Bチャートで最高位2位が続いていたのだが、前作「Stroke Of Genius」がそれを打ち破って1位になった。にも関わらず今回は7位。ちょっとまずい。しかし、質は決して落ちていない。80年代の、「ブラック・コンテンポラリー」と呼んでいた頃の曲のような「Better To Talk It Out」の美メロコーラス。「Lay You Down」のゴージャスでスケールの大きいサウンド。この極上のメロディもボーカルも、すべては女と寝ることを懇願してるだけ。いや、これでいいのだ。これがR&Bの世界。70年代ソウルのようにコブシを効かせまくって「お前に子供ができたって気にしないぜ、お前が欲しいんだ」と熱唱する「So What (If You Got A Baby)」。やっぱR.ケリーなんかとはシンガーとしては格が違うと思い知らされる。「未婚の母」が当たり前の社会なので言ってる内容は全然日本人の感覚と違うので意味わかんないかもしれないけど。

正直なところぱっとしない作品も多い彼だが、今回のは、はっきり、いいアルバムだと言い切れる。これは聴く価値あり。
posted by しんかい at 22:57| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 2004年ベスト作品選考シリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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