2004年12月31日

Hopes And Fears by Keane

Hopes And Fears

キーン。アルバムを聴いて、これは自分にとっての年間ベスト作品になるだろうと直感した。トラヴィスの「The Man Who」とコールドプレイの「Parachutes」をそれぞれの年の年間上位に選んできた私にとって、これほどツボを突いた作品は今年他になかった。
瑞々しいピアノ・ロック。ボーカル+ピアノ+ドラムという大胆な編成のトリオ。ピアニストがベースは兼ねるが、ギタリストはいない。ギター+ドラムという究極の最小編成をホワイト・ストライプスが示して見せていることもあり、驚くほどのことではないのだが、「トリオなのにボーカルが歌うだけ」というのはロック史上けっこう画期的なことではないだろうか。歴代数々のロック・トリオの大半は、フロントマンがボーカルをとりつつベースまたはギターを弾いていたはずだ。
しかし、それにより彼らの音楽の表現範囲が狭まったり、音に違和感があったり、ということはまったくない。とくに「This Is The Last Time」「Bend And Break」「Everybody's Changing」「Can't Stop Now」といったアップテンポの曲での水が流れるように流麗で、透明感のある音は見事だ。よく伸びるボーカルの声も、アップテンポの曲のほうが活き活きしている。そして、何よりもメロディの良さ。今年出て来たバンドでソングライティング能力はNo.1だろう。すべての曲が印象的なフックのメロディを持ち、その完成度の高さ故にすーっと耳に自然に入ってくる。シングルヒットしている「Somewhere Only We Know」もいい曲だけどアルバム中でいちばんいい曲というわけでもないし、「Bedshaped」のコールドプレイ的なドラマチックな盛り上がりは、どちらかというとアルバムでは異色だ。彼らの瑞々しくきらめくようなセンスは、先に並べたアップテンポの曲群で確認されたい。

トラヴィスの例を見るまでもなく、残念ながらこういうバンドは、次作以降はセルフ・パロディに陥り、面白みを失っていきがちである。これだけ素晴らしい作品を残してくれただけでも感謝すべきだが、願わくばもう1枚か2枚ぐらい、長く聴き続けるに値する作品を出してくれるといいな。
素直すぎるのでNMEではあまり受けはよくないが、Qでは堂々年間2位に選出されている。
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Confessions by Usher

Confessions Confessions New
左が最初に出ていたバージョンで右が出し直し盤。以下は左のバージョンに基づく。買い直すのは悔しいので私は右側バージョンは未聴。今から買う人は「My Boo」も入った右のほうがお得でしょう。


なにもそこまで売れなくていいんだが。というぐらい売れまくってしまった2004年のアッシャー。それにしても「Yeah!」が年間チャート1位って。数十年後の人たちはいったいこれをどう評価するだろう。

デスティニーズ・チャイルドのアルバムもそうだったが、先行シングルで出てくるのは派手な曲だが、アルバムはオーソドックスで安定した曲で固められている。アップテンポの曲は「Yeah!」のほかは「Caught Up」「Take Your Hand」のみで、これ以外は全編がミディアム〜スローで固められる。
ジャスト・ブレイズ製作の「Throwback」が白眉。ロックっぽい音を使いながら、いかにもアッシャーらしいメロディが流れるように展開していく様は見事。さすがにアッシャーのこの特質をしっかり押さえているのは、文字通り彼が子供だった頃から育ててきたジャム&ルイス。「Truth Hurts」「Simple Things」などの好楽曲を提供している。しかし前作での「Twork It Out」のようなアルバムのハイライトに成り得るようなパワーはなく、「Bad Girl」なんか、これってジャスティンじゃないの?とちょっと失笑してまうようなところも。
ジャーメイン・デュプリも流石にアッシャーと組むとなるといい仕事していて、「Burn」もいいがブラマコ(ブライアン・マイケル・コックス)と組んだ、いかにもアルバムの終盤に入ってそうな解放感のある「Do It To Me」もいい感じだ。
しかし「Take Your Hand」での勢いのある歌いっぷりを聴くにつけ、もうちょっとアップテンポの曲があってもよかった気はする。これで800万枚売って、2004年にアメリカでいちばん売れたアルバムになってしまうんだから、これで戦略は間違ってないんだろうけど。私は前作のほうが好きだったな。
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Franz Ferdinand by Franz Ferdinand

Franz Ferdinand

ここ数年、トレンド・セッターとなるロックバンドはみんなアメリカ出身だった。ホワイト・ストライプスも、ストロークスも、最初に認めたのはイギリス人だったけど、アメリカのバンドだった。
だから、フランツ・フェルディナンドがグラズゴーから登場してきた時は、イギリスの音楽評論家たちは本当に嬉しかったんだろうなー、と思う。NMEで1位、Qで3位など、イギリスの音楽雑誌が選出する年間ベストアルバムで軒並み極めて高い評価を得ているのも、ある程度「地元びいき」によるものだろう。

ストロークスがそうであったように、彼らもまた、決して新しい音を出すバンドではない。基本に忠実というか、60年代のガレージロックの時代に戻ったような音だ。ただ、そういうバンドがごまんといる今の時代、彼らが際立つのは、その洗練された佇まいだろう。何年か前は感情の赴くままに叫ぶボーカルがロック的でかっこいいと勘違い的にもてはやされた時期もあったが、このバンドのボーカル、アレックス・カプラノスは決して叫んだりしない。ほとんど感情さえ見せない。バンドの演奏にもブレがなく、メンバーはアート・スクール卒業生だとかクラシックの経験があるとか聞くとやけに納得できる。
「Take Me Out」を筆頭に「Auf Achse」や「Come On Home」など個々の曲は確かによく出来ているのだが、果たしてこれが2004年のベスト作品だというほど素晴らしいかというと、私はかなり疑問である。良いか悪いかなんてのはしょせん個人の主観でしかないわけで、ここで「よくない理由」をつらつら書いてもしょうがないのだが、一言で言うとカッコよさのベクトルが私の趣向とは違うということなのだろう。私はストロークス派。
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By Any Means Necessary by Pastor Troy

By Any Means Necessary

なにもハリー・コニックJr.のあとにこんなの聴かなくてもいいのだが、「何でも聴ける」人であるためには自分に試練を課さねばなるまい。というかそんな大層なことでもないな。けっこう自然に聴いてるよ。

パスター・トロイ。私がもっとも「カッコいい」と感じるお気に入りのラッパーの一人である。素材としてはリル・ジョン並のスターになれる素質をもっていると思うのだが、プロダクションに恵まれていない。今回も有名なプロデューサーはまったく参加しておらず、ローカルのプロデューサーたちの作品が並ぶ。一般論としては別にローカルだからレベルが低いということは全然ないし、ローカル色が強いからこそ味わい深く楽しめる作品はヒップホップの世界には決して珍しくない。というかほんの3年前まで、南部ラップなんて全部そうだったはずだ。
それにしてもこの作品は60点から70点ぐらいの曲が延々と並ぶ。確かにダメな曲はないのだが、これはいい!という曲がない。どうにも煮え切らない。前作の「Are We Cuttin'」で抜群のカッコ良さをみせたティンバランドや、大ブレイク前のリル・ジョンや、ジャジー・フェイなど、前作までの質の高さを支えていた面々が今回は揃って不在だ。有名プロデューサーの力に頼らずに自分に近い仲間と作り上げたいという気持ちはよくわかるが、やっぱりここまで華が一気になくなってしまうのは寂しい。
相変わらずアートワークはかっこよく、タイトルから明らかなように、ジャケ写のポーズもマルコムXを意識したもの。
いつかは南部ラップ史に残る超傑作「Vice Versa」を越える名曲を出してくれるのだろうか。
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2004年12月30日

Only You by Harry Connick, Jr.

Only You

世相がそうさせるのか、あるいはロッド・スチュワートの商業的な大成功がレコード会社の担当者を駆り立てるのか、最近カバー集が多い気がする。
そんな中、ロッドと選曲や企画がいちばんバッティングしそうなのが、このハリー・コニックJr.の作品だった。昨年のクリスマスシーズンに「Harry For The Holidays」が久々にヒットしてちょっと昇り調子だっただけに、本作はチャート上では彼の15年を越えるキャリアで最大のヒット作となった(5位)。

もちろんハリーの場合、これはロッドの真似でも何でもない。たとえば92年の「25」や01年の「30」はジャズ・スタンダードを中心とするカバー集だし、彼のようなジャズ系のシンガーがスタンダード・ナンバーを歌うのは、ロック/ポップス系の人に比べるときわめて自然なことだ。関係ないがこのジャケのハリーはエディ・ヴェダー(パール・ジャム)に似てないか?

オーケストラの指揮からアレンジまで全面的にハリー自身がてがけた本作は、雰囲気的にはいつものハリーの小洒落た雰囲気だ。全編に演奏はかなり控えめで、重厚感はあまりないが、その分ハリーの存在が、近く感じられる。コンサートホールよりはレストランやバーで聴いているような雰囲気だ。ニューオーリンズの大先輩、アラン・トゥーサン作品「All These Things」なんていい雰囲気すぎて、聴いてて意味もなくひとりで照れてみたりなんかして。かつては音楽バカで、音楽を女の子を口説く道具に使うなんてけしからん、なんて思ってたりもした自分が、今はそういうのもアリだよなあ、とか思ってみたり。
そういう文脈で聴くと、ハリーが“近く”に聴こえるこの作品はけっこうヤバい。この“近さ”で「only you can make this world seem right / only you can make the darkness bright / only you and you alone / can thrill me like you do / and fill my heart with love for only you」なんて歌われてしまって、世の女性は平常心で居られるだろうか。
イヤらしさは全然なく、ごく自然に、真摯に歌うハリー。だからこそ漂う爽やかな色気。スタンダード・ナンバーを歌っても枯れた雰囲気にならず、かと言ってこういう歌が似合わないほどに青臭いわけでもない。まだオヤジとして老け込むにはちょっと早い37歳のハリーが、見事に年齢相応の熟れ具合を見せてくれた。
マイケル・ブーブレやジェイミー・カラムなどジャズ系のシンガーにも若手が出て来ているが、これで巧く彼らとの棲み分けもできたし、当分は彼の天下だろう。全米ジャズ・チャート年間No.1おめでとう。
posted by しんかい at 23:59| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 2004年ベスト作品選考シリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

スマトラ地震支援

スマトラ沖地震の死者は10万人に達する見込みだという。
いったい何と言ったら良いのだろう。9.11テロで世界貿易センターで亡くなったのが約3200人。阪神・淡路大震災の死者数は約5500人(関連まで含め約6400との説もあり)。あまりにも桁違いだ。
この1年半ほど、東南アジアの人々と一緒に仕事をしてきているので、今回の災害は本当に他人事ではない。2週間までシンガポールに居たことを思うと、自分も被害に巻き込まれていた可能性だってあったわけで(今回シンガポールは人的な被害はないが)。
フォスター・プランが現地の状況を把握した上で支援プログラムを立ち上げると連絡をくれているので、とりあえずそれを待っている。こういう時日本人はカネを出すだけで、ヒトの支援はいつもヨーロッパ諸国やアメリカのほうが動きが速い、と批判される。でも今回は自衛隊が既に動いているようだし、支援の中心になると名乗りを挙げた4カ国にも含まれてるし。でもどうしてこういつもリーダーシップをアメリカに取られてしまうのだろう。特に今回はブッシュが休暇中でコメントをなかなか出さずに批判さえ出ていたというのに、一言コメントを出したら、もうそれでアメリカが支援チームのリーダーになっちゃった。
対インドネシアの最大のODA供与国は、日本である。対インドも、対スリランカも、対タイも、対ミャンマーも、対バングラデシュも、すべて日本である。日頃から地道に彼らを支援している日本が、こういう目立つ場面だけアメリカにリーダーシップを取られてしまう。どうして、こうなんだろう。

昼間掃除をしながらテレビをつけっぱなしにしていたら、9.11はアメリカ政府の自作自演劇だ、みたいな調子の番組をテレビ朝日でやっていた。おいおい日本のテレビってそんなことやるようになったか。
昨日は東京で初雪。けっこう一日中降っていた割には積もらなかったのはみぞれっぽかったから?
posted by しんかい at 22:26| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(2) | 思う事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年12月27日

先輩

池袋の街を歩いていて「先輩」と声をかけられた。はて。とまったく見覚えのないヤンキー少年の顔を見る。単なる客引きだった。「先輩、今日は買い物っすか。すぐ近くにいい店あるんスけど」。別に怪しい店ではない。服屋である。
池袋の60階通りあたりを歩いていると、よく黒人の兄ちゃんには声をかけられる。ヒップホップ系のファッションを扱う小さい店は、表通りからちょっと入ったところにありがちなので、彼らはこの大通りで客引きをする。ちょっとそれらしい格好をしてる奴には片っ端から声をかける。「先輩」と声をかけてきたヤンキー小僧も単にその日本人版だったわけだが、ちょっとその声のかけられかたが新鮮だったもので。いやーヤンキーならではだなぁ、と感心してみたり。というか、こういう場合何て声をかけるもんなんだろう、と自問してみたり。「すみません」じゃいかにも気が利かない。「お兄さん」では飲み屋か風俗の呼び込みだ。実はとても的確なのではないか、「先輩」というのは。
中国語では敬称に「先生」とつけるらしい。先日中国を訪問した際、そのコーディネートをしてくれた現地エージェントの手配したFAXを見たら、私のことを「先生」と言って訪問のアポを入れていたので、おいおいそんな身分詐称していいのかよ、と思っていたのだが、実は単なる敬称だと後から聞いた。
アジアには片言ぐらいなら日本語を理解できる人は多い。彼らとやりとりしていると、彼らのほうから自然に「さん」づけで私を呼んでくる。
日本人であることを、感じる。特に、様々な歴史的な経緯を経て、今もなお経済的に強くつながる東南アジア諸国では、日本人であることを、随所で意識させられ、気を引き締めさせられる。尊大であるべきではないし、驕り高ぶるべきでは決してない。しかし、日本人はもう少し日本人であることに誇りをもち、日本人として恥ずかしくないように行動するよう、心がけるべきである。

インドネシアの地震による津波で、現時点で9000人以上が亡くなっているという。ただただご冥福をお祈りする。
posted by しんかい at 03:13| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 思う事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年12月23日

マーライオン

Merlion 1

シンガポール渡航は二度目。いずれも仕事での渡航なので充分な観光をしているわけでもないが、しかしなんとか時間を探して今回はもっぱらウォーターフロントを散策。
シンガポールと言えば、どういうわけか、マーライオンである。いったいこれのどこがそんなに名物なのかがよくわからないが、まあとにかく一度は見ておかねばなるまい。と言いつつ今回の貴重な自由時間の中で期せずして二度も見に行ってしまったわけだが。
かつては「世界三大がっかり」のひとつだと言われたマーライオン。
今は場所が移転されて、以前はきちんと記念写真に収めることも難しかったのが、今はちゃんと記念撮影用のデッキが海に伸びていて、ライトアップされたビジネス街のビル群を背景にマーライオンが撮影できる。そもそもなぜシンガポール=マーライオンなのか?というのはこのあたりを見てもあまり明確なことは書いてない。シンガポールのシンガとは獅子、マーとは海、なのでシンガポールを象徴するのだ、という説明はそれはそれで明快だが、アレがこれほどまでに有名な観光スポットになっている理由にはならない。
ま、なんというか、マーライオン単体では別にどうということもないのだが、綺麗に開発され、整備されたウォーターフロント、南国の温かくて開放的な空気の中で散策するカップルたち、背景には美しく整然と立ち並ぶ高層ビル群。という、周囲をとりまくシチュエーションが、なんともベタな観光気分にさせてくれる、と現物を見て一応納得しておいた。

Merlion 2

こっちはMarina湾を隔てた反対岸から撮ったもので、左隅の白いのがマーライオン。右側のきらびやかな建物はFullertonホテル。
posted by しんかい at 20:55| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | アジアネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Loyal To The Game by 2Pac

Loyal To The Game

恒例のトゥパック未発表曲集。また1位になった。
なんとなくわかってはいたけど、凄い事実。彼はこれまでにアメリカで2440万枚あまりのアルバムを売ってきているが、そのうち彼が存命中に売ったのは600万あまりで、残る1800万あまりは、96年の彼の死後に売れている、のだそうだ。才能もカリスマ性も圧倒的な人ではあるが、その“伝説”が一人歩きしている人でもある。

今回は何と言ってもエミネムがほぼ全編をプロデュースしているのが話題。こないだの「Runnin'」を手がけたのがきっかけになっているのだろうが、私は個人的にはエミネムの音楽的才能の薄っぺらさを実感しただけの作品だった。
とにかくワンパターンな曲ばかり。どんくさいテンポのダークな曲に、キーボードなどの柔らかい感じの音をアクセントに乗せる、というD-12〜エミネムのソロでさんざん聴かされてきた同じパターンを、ここでも延々と聴かされる。もちろんエミネムもG-ユニットもオービー・トライスもゲスト参加。ここでもう一歩頑張ってドクター・ドレを引っぱり出してくれば面白かったが、そこまで踏み込めるはずもなく。

そりゃまあ、もしトゥパックが今も生きてればエミネムと共演してたかもしれないし、こういう作品を出していたかもしれない。しかし、この二人は全然キャラが違うと思うのだ。Me Against The World的な姿勢は、一見確かに共通するようにも見えるが、基本的にエミネムは“茶化す”のが得意な人で、ロマンチストでもあり、何でも本気で、全力でぶつかってしまう真面目な人であるトゥパックとは似合う音が違う。シリアス風でありつつどこかファニーな雰囲気もある最近のドクター・ドレ〜エミネムの作る音と、トゥパックのライムの相性がいいとは思えないのだ。

やっぱり我々はいつまでも「Life Goes On」や「Unconditional Love」や「It Ain't Easy」のような曲が入っているかもしれないと淡く期待しつつ、永遠に彼の未発表曲集を買い続け、その度に落胆し続けるのだろう。だからこそ、彼の存命中の作品が輝きを増すわけでもあり。
posted by しんかい at 20:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 新譜レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年12月19日

シンガポール紀行

Singapore View

土曜日にシンガポールから帰国。
今回は、ここ数ヶ月ずっと忙しく準備してきたことの総決算的な国際会議ということで、現地でも慌ただしく走り回っていた。今までこの仕事関連ではひとりで出張することが多かったので、同僚数人、更には関係する日本人が何十人も揃って海外に行くという、海外出張に慣れた自分にとっても新鮮な経験だった。

まずは自分の備忘録として、6日間をざっと振り返っておこう。
12日(日)出社して最後の準備。翌朝早いので8時頃には帰るつもりがとんでもなく、結局深夜2時までかかった。まだまったく旅行の準備もできてなかったので、寝たのは4時頃だったか。
13日(月)6時起きで成田へ向かい、海外出張はおろか旅行に出るのさえ初めてという同僚と落ち合う。11時台の、ピークを過ぎた時間帯のフライトだったので特に待たされることもなく、順調に出発。
定刻よりやや遅れてシンガポール着。もう夕方ということもあってそんなにうだるほど暑いわけでもない。天気も悪くない。ゆっくりする間もなく、一緒に事務方を務める組織の人たち(日本人)との顔合わせを兼ねてディナーへ。中華を食って、マーライオンなんかを見物しながらホテルへゆっくり帰ってこの日は平和に終わる。
14日(火)午前中は余裕がありそうだった、というかスケジュールを考えるとこの時間しか日中に出歩くチャンスはなさそうだったので、買い物スポットを探してホテルの近所を散策。暑い!さすがに太陽が照りつける日中は前日の夕方とは比較にならない。どうもシンガポールの店の開店は遅く、しかも今回宿泊したPanPacificの周辺は妙に工事中の建物が多く、10時台にうろうろしても開いていない店ばかり。でも途中で立ち寄った海辺からの、対岸のビジネス街+マーライオンはなかなか壮観だった。
結局ホテルにいったん戻って反対側の、シンガポールでも最大級というSuntecモールへ。ここでもまだ開いてない店が多いので軽く様子を見てホテルに戻り、仕事モードに切り替え。
夜はシンガポールの人にChili Crabを食いに連れていってもらった。しかしホテルに帰ってからも準備作業を続行、結局夜中まで働いた。
15日(水)6時半起き。国際会合初日。いくつかのグループに分かれてそれぞれのグループの会議が平行して進められるので、同行した同僚がみんなそれぞれのグループにつき、一人でその場を仕切らないといけなくなる。この日は本当に慌ただしか
夜はレセプション・パーティ。その後、我々よりも一日遅れて現地入りし、まだマーライオンを見ていない同僚からマーライオンまで案内しろと言われて再びマーライオンへ。その後ホテル周辺をさんざんさまよい、近所のバーで12時まで飲む。この日も、それほどハードワークではないが、やっぱり戻ってから翌日の準備をしてから就寝。職場と宿が近すぎるのもなあ。
16日(木)また6時半起き。自分にとってはこの日のイベントが正念場。いやーしかし忙しい忙しい。朝飯も昼飯も食う間もなく、文字通り走り回ってなんとか一日を乗り切る。
夜はまたもレセプション。さすがに走り回ってる様子を見ていた人たちが色々声をかけてくれる。その後シンガポールの人がカラオケに連れ出してくれて、またまた12時まで遊び歩いた。
17日(金)会議の最終日。午前中は今までに比べるとかなり余裕をもって過ごして、無事にすべてが完了。午後は地元組織が企画した、現地組織の見学ツアー(観光ではなく仕事がらみ)に参加して、夕方になってようやくフリー。
14日からずっと目をつけていたんだけど行く暇のなかったカルフールへ。2フロアをくまなく見て、Suntecのショッピングモールをうろうろしているうちに何時間も過ごしてしまい、結局セントーサ島に行くプランやオーチャード・ロードに繰り出すプランも時間切れで諦め、近場のベトナム料理屋でフォーを食って終了。
...と思ったら日本へ送り返す荷物の手配でトラブル。結局深夜3時までホテルのスタッフを巻き込んで最後までドタバタ。結局睡眠時間は1時間半。
18日(金)5時起きで空港へ。空港で少しゆったりと最後の買い物をして、飛行機ではワインの小ビンを2本飲んで爆睡。せっかく映画プログラムが充実してたのに「コラテラル」も「ターミナル」も途中まで見かけて眠ってしまった。
東京には定刻より早く到着。同僚と一緒にリムジンバスで池袋まで。これがまたディズニーランド渋滞やら何やらで2時間以上の長旅になってしまった。が、まあ何やかんやで仕事のほうは巧く行ったし、バタバタする中でも同僚ともいい信頼関係を築けたし、全体的にはいい出張だった。
明日以降は写真を交えて、印象に残ったことを色々と。
posted by しんかい at 23:39| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | アジアネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年12月12日

Collision Course by Jay-Z + Linkin Park

Collision Course

引退したんじゃないのかよジェイZ。
このアルバムの全米チャート初登場1位と、ジェイZのDef Jam社長就任がほぼ同時に伝えられた。相変わらず商売が巧すぎる。
スタジオ録音6曲入りのCDと、ライヴ6曲+その舞台裏などのDVDの2枚組。かなり変則的なパッケージだが、もともとは一晩限りのステージでリンパクとジェイZが共演したのが発端になってるわけで、それをよくここまで短期間に、ここまでちゃんとしたパッケージに仕上げたものだ。
リンパクの持ちネタの曲に載せてジェイZがラップをのっける、というのが基本スタイルだが、逆にジェイZの「Big Pimpin'」のトラックに載せてマイク・シノダがラップしたりもしている。下手に新曲を作ったりせずに、お互いの持ちネタを組み合わせる、という企画が良かった。リスナーが既によく知ってる曲がどんな風に料理されるのか、好奇心と驚きをもって接してもらえる。
もともとリンパクはボーカルが半分ラップなわけで、ラップとの相性が悪いわけはないし、ジェイZも「99 Problems」をヒットさせた後で、今はイメージ的にロックとの組み合わせに違和感がない。そして何より、まずステージで一緒に共演する、という経験を経た上でスタジオ録音しているので、両者のコラボレーションがしっかりしている。もちろんここで比較対象となることが避けられないのが、こないだ出たばかりのジェイZとR.ケリーとのデュエットアルバムだ。「Best Of Both Worlds」なのは事実だからそう主張するのはいいのだが、何のシナジーも生まれていない、形だけの共演という匂いがいかにもぷんぷん漂ってきて、一応速攻で買いはしたものの、ほとんどまともに聴いていない。時間がとれないせいもあるが、たぶん未だに通して全部聴いたことは一度もない。
それに比べると本作はちゃんとした共作という感じがして、まず好感が持てる。そして、ネタ的に楽しめる。ジェイZの曲もリンパクの曲も両方元ネタを知っているので、それをどう組み合わせて、どんな仕上がりになってるのか、純粋に”楽しむ”ことができる。「Izzo」のトラックのそのまま「In The End」のライムをのっけてたりするのはかっこいいと言うより微笑ましいし、「99 Problems」と「Points Of Authority」「In The End」を組み合わせて全体にロック色強く仕上げた曲は素直にかっこいい。

実は時間がとれなくてDVDのほうはまだ断片的にしか見ていないのだが、ちゃんと1時間以上内容のあるマトモなものだし、これはかなり楽しめる作品だ。リンパク(だけ)のファンにはあまり評判がよくないようだが、まあシノダとチェスターの出番が少ないのだから気持ちはわからんでもない。どっちかの熱烈なファンではなく、ジェイZとリンパク両方ともそこそこ好きだという人こそがいちばん楽しめるのかも。
posted by しんかい at 01:39| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 新譜レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Urban Legend by T.I.

Urban Legend

T.I.を最初に知ったのは例によって「Murder Dog」誌。01年のデビュー作「I'm Serious」がその年のベストアルバムの1枚に選ばれていた。当時から一応メジャーレーベル所属ではあったものの、アートワークにも、その佇まいにもいかにも地方出身らしいインディくささが漂っていた。もちろん、そこが醍醐味でもあるので、私はけっこう楽しんで聴いていた。
売れなかったものの、流石に本国ではそれなりに評判が広まっていたと見えてセカンド「Trap Muzik」はいきなり全米チャート4位という大ヒット。今回も年末商戦のこの時期に7位と健闘した。
実はライムのスタイルにも声にもあまり特徴のない、純粋にラッパーとしてはあまりスター性のない人だと思う。決して下手とかいうわけではなく。しかしルックスがいい。それも、ファボロスみたくいかにもルックス先行です、という感じの厭味っぽさがないのがいい。今回はなんかジャケは変だが、ブックレットの中の写真はどれもシックでかっこいい。なんで一番変な写真をジャケにするんだろう。

さて中身。ラッパーとしての強烈な個性がない故に、プロデューサーの作風に染められやすい。それが、今は、巧く機能している、デスチャまでもがゲストに迎えたがる今のT.I.だから、ちゃんと一流のプロデューサーがついてくれる。昔からT.I.と組んで、彼の特徴をよくわかっている馴染みのプロデューサーが手堅く支える一方、現在のヒップホップ界を支える大物たちが作品を提供する。しかも、それが、かなりプロデューサーの個性を強く出している。マニー・フレッシュ、ネリーと組んだジャジー・フェイのプロデュース曲、B.G.と組んだ「What They Do」はニューオーリンズ人脈でKLCがいかにも変態なトラックを提供。誰が聴いてもそれとわかるアゲアゲ系トラックはやっぱりスウィズ・ビーツ製作だし、リル・ジョン製作曲はやっぱりリルジョン風味にしかならない。どこかで聴いたようなフレーズを歌うファレルをフィーチャーした「Freak Through」はネプチューンズが変な小技を使わずに素直に作ったグルーヴィな曲。更にはダズ・ディリンジャー製作でウエッサイ・スタイルのレイドバックした曲。これだけのプロデューサーのスタイルを、軽々と乗りこなすT.I.。没個性であるが故だとか、アルバムにまとまりがないとか、否定的に論評するのは簡単だが、やっぱりここまで色々なスタイルを乗りこなす器用さは、評価しないといけないだろう。
中でも素晴らしいのはネプチューンズ製作の「Freak Through」だ。ファレルのコーラスはスヌープの「Beautiful」の二番煎じっぽいのだが、ベース音が前面に出たシンプルなトラック、後ろのほうでそっと鳴るほんわか系のキーボード、リラックスして淡々としたスタイルのT.I.のラップ、これが一体となって何とも言えない心地良い空気を醸し出す。変態っぽいトラックばかりがネプチューンズの持ちネタじゃないし、こういうシンプルな「いい曲」こそがT.I.という素材の良さをいちばん引き立てるのかもしれない。実はネプは、01年の「I'm Serious」からの付き合いなので、T.I.の個性がよくわかっているのだろう。

前作はかなりの傑作だったので、今回はそれには及ばないが、まあそこそこあれに迫る出来だと言っていいだろう。どうも同クラスか、それ以下のレベルの同世代ラッパーたちと比較しても日本では人気がない(知られていない)と思うのだが、トリック・ダディと並んでこの冬必ず押さえておくべきヒップホップ作品である。
posted by しんかい at 01:12| 東京 ☁| Comment(1) | TrackBack(1) | 新譜レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年12月06日

Greatest Hits by Creed

Creed GH

このジャケ(笑)。やーもうやる気無さすぎ。
けいさんも書いていたが、もともとアルバムではつながっていた「Higher」と「With Arms Wide Open」をそのままのバージョンで曲順入れ替えて収録するもんだから途中でぷつっと音が切れる。まあ、「Higher」のイントロのほうはごまかしが効かないこともないんだが、「With Arms〜」の終わり方のほうはいかにも変だ。全部単純にアルバムバージョンを寄せ集めただけかと言うと「What's This Life For」はアルバムより短いバージョンだし、なんかよくわからない。

ビデオクリップ集のDVD。プレイヤーにかけると、メニュー画面が表示されるが、各曲へのリンクがあるだけ。あ、つまり、Quitとかのメニューがない。更に致命的なのは、全曲を流して見ることができない。1曲終わると、必ずまたメニューに戻ってしまうのだ。君たちねえ...

実際には、大手の配給を受けているとは言え彼らの所属はWind-Upという小さなレーベルなので、立派なモノ作りには慣れてないし限界もあるんだろうということは、なんとなく想像はつく。

しかし、このおおざっぱな、大味なアメリカ人らしさが何ともクリードらしい。
巷で馬鹿にされがちなスコット・スタップの勘違いぶりとオーバーラップさせて、いやーこんなバンドだったよねと小馬鹿にしつつ、でもいい曲やってたよなーと感慨に浸るのが正しい接し方か。
いつもながらamazon価格と輸入盤店店頭価格には軽く数百円の価格差があるのでご注意。
posted by しんかい at 00:11| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 新譜レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年12月05日

Bad Boy's R&B Hits

Bad Boy R&B Hits

またまた何だかえらい中途半端なものを出してきたね。
こないだBad Boyレーベル設立10周年記念ということでCD+DVDのベスト盤を出していたけど、あれに漏れた曲を集めた第2弾、という感じ。結果的にヒップホップよりR&Bの曲が多かったんで、じゃあR&Bヒッツってことにするか、というノリで集められたと思われる。
CDが12曲、DVDが7曲というボリュームは何とも中途半端だし、メアリーJブライジやジョデシなど別にBad Boy所属じゃない人の作品も入っている。P.ディディとR.ケリーによる「Satisfy You」を収録するのはいいんだが、裏ジャケの3分の1ぐらいの大きさを占領してR.ケリーの写真を載せちゃうのはどうかと思う。

と、何だか全体的によくわからない作品なのだ。位置づけも中途半端、中身も中途半端。Bad Boy全盛期に生み出された数々の傑作リミックスが収録されてるわけでもなく。もうこうなったらもう1枚ぐらい、今度は「Remixes」でも出してくれれば納得。その時はトータルの「Kissin' You/Oh Honey」を忘れずに収録よろしく。
posted by しんかい at 23:50| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 新譜レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Bridget Jones - The Edge Of Reason, Soundtrack

Bridget Jones 2

「ブリジット・ジョーンズの日記」。この手の映画はあまり好みではないので、映画自体は別にいいのだが、サントラが素晴らしいのだ、このシリーズは。
前作はシェルビー・リンの「Killin' Kind」やロビー・ウィリアムスの「Not Of This Earth」やディナ・キャロルの「Someone Like You」といった地味な佳曲を満載した素晴らしいサントラだった。
半分弱程度収録される過去のヒット曲もなんとなく選曲の一貫性というか必然性というか、ポリシーが感じられるような気がして好感が持てた。

続編となる今回「Bridget Jones - The Edge Of Reason」も、私的にはサントラに期待が高まる。
既にシングルとしてジャメリアの「Stop」とジェイミー・カラムの「Everlasting Love」がヒットしているが(ともにカバー)、そんなに大した出来でもないので、今回はまああまり期待しないほうがいいのかな、と思い直しつつ聴いてみると... これといった一曲はないが、全体にやっぱりセンスがいい。ウィル・ヤングの「Your Love Is King」(シャーデーのカバー)なんて、ちょっとこの選曲と組み合わせにはニヤリとしてしまう。ケイト・マクガリグルの「I Eat Dinner」を息子のルーファス・ウェインライト(とダイド)にカバーさせるという相当マニア度の高いものから、スティングとアニー・レノックスによる「We'll Be Together」の再録というわかりやすい王道モノまで、新録物はほとんどがカバー。過去のヒットは、ミニー・リパートンの「Lovin' You」にしろ、10ccの「I'm Not In Love」にしろかなりベタだが、この辺は実際に映画を見て、その使われ方を見ないと評価できないだろう。

こうして書いてみるとなんかあまり聴き所がなさそうだが、一般のレビューでは無視されてしまいそうな地味な人が実は聴き所。レオナ・ネースという女性の「Calling」なんてまさに前作の切ない雰囲気を受け継いだ佳曲だし、過去のヒット曲の中でもいちばん「いいなー」と思うのは超有名曲群に混じるとやや地味なカーリー・サイモンの「Nobody Does It Better」だったりするし(これも全米2位の大ヒットではあるんだけど)。
つまり「すごく有名な曲」と「地味だけどいい曲」しか入っていない。捨て曲がないのだ。地味な曲ほどいい曲のように聴こえるから、なんだか全体としてすごくレベルが高いように感じられてしまう。まあ考えようによっては「気のせい」ではあるのだが、やっぱりいいサントラである。

それにしてもブックレットに写るレニー・ゼルヴィガーの太りっぷりは凄い。役のためにここまで自分を悪い方向へと改造してしまうプロ根性は見上げたものだ。
posted by しんかい at 01:11| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 新譜レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Ultimate Kylie by Kylie Minogue

Ultimate Kylie

カイリーのベスト盤。まあ、普通に考えれば「また?」である。
しかし今回はかなり気合いの入ったパッケージだ。ジャケからしてもう、いかにも勝負ジャケだ。今回の売りはなんといっても、PWL時代、インディ時代、そして現在Parlophone/EMIまで、レーベルを横断して彼女の全キャリアを1パッケージで初めて網羅したこと。過去の作品をこまめに買っているファンにとっては別に意味ないが、便利な決定版ベストが欲しいと思っている一般人にとっては実にありがたい。

CDは2枚組で33曲、日本盤はボートラ入りで36曲。これで3200円だから、まあCCCDとはいえ頑張っている。輸入盤はもちろん総じて更に安い。しかし実はもっとお買い得なのはDVDバージョンである。
1枚モノだが2時間を越える収録時間にたっぷり32曲を収録。ビデオクリップ31曲に、オマケ扱いとしてブリット・アウォードでの「Can't Get The Blue Monday Out Of My Head」のパフォーマンスを収録。なぜかamazon.co.jpではこれのUK(EU)版を扱っていないのは納得いかないが、たとえばhmv.co.jpでは2600円台で売られている。日本盤発売は来年で、3800円らしい。(上のジャケのリンクはhmv.co.jpへ)

さすがに操り人形アイドル時代の「I Should Be So Lucky」とかは音も映像も80年代モロ出し全開で、けっこうキツいものがある。あー、こんなのあったよねー、と軽く流して一度見ておけば充分だろう。時代を追う毎に音は聴き応えが増し、映像は見応えが増す。冷遇されたインディ時代を経て、一線に返り咲いた瞬間の輝きといったら。いきなりオーラが漂い始め、無敵の快進撃が始まる。

どちらかと言うと決まった振付けとか、決まった演技とかをする映像が多い一方で、とても自然な表情とダンスを見せてくれる「Love At First Sight」がやっぱり白眉だ。その映像に、邪魔にならない程度に“線”が絡んできて、さりげなく芸術的な仕上がりになってたりするあたりも見事だ。
続く「In Your Eyes」はいったいどうやって撮ったの?と思ってしまう重ね撮りのアイデア一発勝負ではあるのだが、何度見ても目を離す隙がないのでついつい最後まで見てしまう。映像が面白すぎて音があまり印象に残らなかったりもするのだが。

とても楽しいのは歌詞表示機能。まあ、要はカラオケの字幕がON/OFFできる。これONにしておくと、その気がなくてもついつい一緒に歌ってしまう。曲によっては字幕の出るタイミングがぎりぎりすぎて歌いづらいのだが。

決して「全曲集」ではないので抜けているヒットもある。マニアだったら、そういう曲の映像こそ収録して欲しかった、こんなの見飽きた映像ばかりだ、というだろう。その通り。これはマニア向けの作品ではない。今までカイリーのDVDなんて持ってないし、実はインディ時代なんて曲もあんまり知らない、なんていう人向けのお手軽な作品である。いや、でも、これはコストパフォーマンス充分。ジュエルケースに入って全体にテカテカで光沢感があってゴージャスな感じがする装丁も良い。
posted by しんかい at 00:31| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 新譜レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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