2004年11月30日

チェチェンで何が起こっているのか 林克明/大富亮 著

Chechen De Naniga

チェチェン紛争というのは、どうもよくわからない。
ロシアでは、血なまぐさい大規模な事件が相次いでいる。
劇場占拠事件。武力解決で、ロシア人の民間人に大量の犠牲が出た。これは、はっきりチェチェン・ゲリラの犯行だったようだ。
2月モスクワの地下鉄爆破事件
8月にモスクワ発の旅客機2機が、ほぼ同時に墜落した事件
9月の学校占拠事件
これらに比べると比較的地味に報じられたが、5月にはチェチェンの隣のイングーシで警察署襲撃事件が起き、100人近くが亡くなっている。
たくさんの人が亡くなったが、誰が犯人なのかいまいちわからない。もちろん、チェチェンの武装勢力がらみだと言われてはいるけど、それをすんなり鵜呑みにするほど我々もウブではない。

一体何が起きているのか。
ずばり解決してくれそうなタイトルの本を本屋で見つけたので、手に取ってみた。非常に平易に、チェチェンの様子がわかった。良書である。学術的に云々ではなく、現地での人と人との触れ合いを描き、彼らから得た情報や、学んだことが述べられる。そして何より、ジャーナリストである筆者が自らチェチェン取材を試みるが、それがいかに困難であるかを記すことで、なぜ我々にチェチェンの情報が充分に伝わってこないのかが浮き彫りになる。徹底した情報統制が行われているのだ。

日本に暮らしていると、どんな情報でもインターネットで手に入る世の中になってしまった、なんて考えがちである。しかし、世界にはまだまだインターネット普及率1%未満の国がいくらでもある。
インターネットは基本的に「電話線」があることが前提である。それがない地域には、いくらパソコンを送り込んでも無力である。
パソコンを贈ってくれるのは有り難い。でもその前に、学校に電気と電話を通して欲しい。そう訴える学校は、途上国の非・都市部では珍しいことではない。
前にこのblogで書いたが、先般、アフガニスタンの人と話した時に、彼は「皆さんの議論はたいへん結構で、勉強になるが、我が国はまずインフラの復旧が第一である」と言っていた。チェチェンは、同じか、もっと酷い状況なのだろうと思う。
そうなると、その地域と他の地域での情報の流れは、人間によってのみ伝えられることになる。ロシアは、チェチェンとの国境警備を厳しくし、ジャーナリストはおろか、国際機関の人道支援目的の入国でさえ認めていないらしい。だから、チェチェンの惨状は伝わってこない。たまに漏れ伝わってくるのは、ウラの手を使って命からがらに潜入したジャーナリスト、或はチェチェンから出て来た人。どうしても「個人」が「ウラで」隠し撮りのように持ち出してきた写真。だから、報道機関はそれらをニュースソースとして大々的に扱うことはないし、国際社会の注目度も低い。はっきりと事実が記録された写真よりも、プーチン大統領が「チェチェン人が怪しい。根拠はないけど」と言ったほうがよほど国際的に広く報じられ、それが信じられてしまうのだ。

チェチェン問題そのものについてはまだ、もう何冊か本を読んで勉強してから触れることにしたい。とりあえず入門版としていい本だと思うので、ご紹介しておく。
posted by しんかい at 01:15| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 本ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月27日

Live Aid

Live Aid

これ、「即買い」の人が多いだろうから早く言っておきたかったんだけど、少なくとも自分で現物を手に入れてからにしたかったので遅くなっちゃいました。
ライヴ・エイド。もう20年も前のことだ。自分が洋楽を聴き始めた10代の頃に「ウッドストック」というすげえ昔の伝説のライヴがあったことを聞かされたが、今の若者にとってはそういう存在だろう。
奇しくも今年三つめのバージョンがレコーディングされる「Do They Know It's Christmas ?」を皮切りに盛り上がったアフリカ救済チャリティブーム。まさにバブル時代の産物としか言えないこの不思議な盛り上がりの頂点に位置するのが、何十組というアーティストがロンドンとフィラデルフィアに結集し、長尺のチャリティコンサートを行うという企画、ライヴ・エイドだった。
日本のテレビでも中継されたが、当時はうちにビデオデッキなんてものはなかったし、日本時間で言うと夜始まって翌朝終わるスケジュールなので、私は案外あっさり途中で寝てしまった。

さすがにチャリティ物は権利処理が難しいのだろう。この映像は、ビデオとして発売されたりテレビ放映されたりすることなく、20年もの間、眠っていた。それをようやくワーナーが商品化したのが、今回のDVD。なんと、DVD4枚組、収録時間10時間。
このボリュームで日本盤が9990円というのは、かなり手頃な値段に思える。でも、ちょっと待った。
amazon.co.jpでアメリカ盤を買うと4300円程度なのだよ。半額以下。DVD1枚あたり1000円という破格の安さ。巷でよく売れてるエイティーズ物には否定的なことが多い私だが、さすがにこれは即買いだった。
ただ、リージョンコードはちゃんと設定されているので、リージョン1が再生できるプレイヤーじゃないとだめ。私は家電としてのDVDプレイヤーはリージョン2、パソコンはリージョン1で設定しているので何ら問題なし。
まだまだディスク1のウェンブリーを見てる途中なのだが(ウェンブリー・アリーナと、JFKスタジアムのそれぞれの会場ごとに見る構成になっている)、いやーみんな若い若い。飛び跳ねて踊りまくるアダム・アント。ポール・ウェラーの不思議な踊り。何だかやけに巧くて、すっかり場の空気を変えてしまってるシャーデー。ソロになったばかりで、まだギラギラしたところのあるスティング。芸人のようなフィル・コリンズ。登場のしかたなんかビートたけしだ。いやーこれで4000円台は安いよ。
例えば日本盤との価格差の5000円がチャリティに回るんです、というのなら考えなくもないが、どこの誰の財布に入るのかよくわからない権利料のために5000円も払いたくないよ。上のジャケ写はamazonのアメリカ盤にリンクしてます。
posted by しんかい at 20:26| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(1) | 洋楽ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月26日

Destiny Fulfilled by Destiny's Child

Destiny Fulfilled

デスチャの新作は、意外な程正統派のスロー〜ミディアムが多い。というか、大半を占める。シングルヒットしてるのは相変わらずのイケイケなアップ「Lose My Breath」と、南部ラッパーを迎えたユルいヒップホップの「Soldier」なので、この路線を期待してアルバムを聴くとえらく地味で、スローで、意外性がないのでがっかりすると思う。しかし、1曲1曲をきちんと聴いていくと、これがえらく出来がいい。
そこはかとなく、そっと色気を漂わせる「T-Shirt」とか、70年代後半のデニース・ウィリアムスあたりのフリー・ソウル感が漂う「If」とか、しっとりしたスローなのにボーカルはしっかり早口でデスチャらしさが発揮された「Cater 2 U」とか、ケリーが(ブラマコの力を借りて)主導権を握った美メロバラード「Bad Habit」とか、いちいち出来がいい。全曲がよい曲だと言い切れるアルバムだ。特にロックワイルダー製作曲が白眉。むしろシングル曲の「Soldier」なんて出来の悪い部類だろう。決してムリすることなく、ミッシェルにもビヨンセと同じぐらいのスポットを当てて、それでちゃんとバランスが取れている。ビヨンセがソロであれだけ成功した直後に、これだけグループとしてバランスがとれた作品に仕上げたのは見事だ。もちろん製作する側は、それをすごく意識しての上だろうけど。
ボーナストラックを入れても12曲とボリューム的には物足りない。当初伝えられたようなDVD付作品でもないし、どうも、当初の予定通り作っていると発売スケジュールに間に合わなくなるので、当初予定をスケールダウンしたんではないか、なんて邪推したくなる。
しかし逆にそれによって、内容の濃い、無駄のない、引き締まった作品となった。スローが大半を占めるのは賛否両論で、どちらかというと否のほうが多いのではないかと思うが、私はこれは今までのデスチャのアルバムの中で、購入直後に繰り返し聴いた回数が圧倒的に多い。実はエミネムよりもリル・ジョンよりもずっと気に入ってたりする。
posted by しんかい at 01:48| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(3) | 新譜レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月24日

Mind, Body & Soul by Joss Stone

Mind Body & Soul

ジョス・ストーン。
デビューEPがカバー集というのは異色だった。とりあえず歌の巧さは本物だということはよくわかったが、この子の実力はまだ未知数だと思っていた。
で、登場した正式なデビュー作。先行シングル「You Had Me」。あ、こりゃダメだと思った。歌は巧いが、自分の好みではない、と。
それでもうすっかり自分の守備範囲の外に置いといたのだが、ある日気になるレビューをどこかで見かけた。このアルバムを評して「You Had Me以外はすべて素晴らしい」と。むむ。気になる表現だ。
それから程なくして、中古屋で手頃な値段で出ているのを発見。上のレビューの言葉を思い出しつつ、ゲットした。
結果として、そのレビューにはとても感謝している。どこで見たんだか忘れちゃったんだけど、やっぱレビューは本音で書くに限るね。何でもとにかく褒めておけばいい、ってのは結果として消費者のためにならないし、消費者の満足につながらないということはレコード会社やアーティストにとっての不利益にもなるんだからね。

1曲目から聴き始める。うわー。60年代後半のソウルじゃんかこれ。トニ・トニ・トニの「House Of Music」を聴いた時の感覚に似た、つい頬がゆるんでしまう心地よさ。このクラシック・ソウル感は全編に貫かれ、確かに、かのレビューにあったように、「You Had Me」だけが浮いていた(日本盤のみボーナストラックの「Holding Out For A Hero」のカバーはアレンジの巧みさもあって案外浮いてない)。確かに力強さのある曲なのでシングル向きと言えなくはないが、こりゃ損してるよ。もっとアルバムのカラーがきちんと伝わるようにちゃんと売れば、「The Diary Of Alicia Keys」の3分の1ぐらいは売れててもおかしくないよ。

プロダクションのしょぼさも随所で気になる。「Don't Cha Wanna Ride」なんかサンプリングに頼らずに本物のホーンセクションを使って、グルーヴィなリズム隊を連れてくれば絶対もっとかっこよくなったのに。ベティ・ライト、アンジー・ストーン、ラモント・ドジャー、クエストラヴといった人材が随所に絡んではいるものの、そのサポートは部分的に留まっている。
やっぱ17歳の新人の女の子、いくら天才的に歌が巧くても、バンドに指示を出すところまでは指揮できないだろうから、この辺が「他人任せ」になってしまっているのが惜しい。誰か大物プロデューサー、助けてやってくれ。というか俺にプロデュースさせてくれれば21世紀のアレサ・フランクリンに育てるんだけどなあ。すっげえ巧いグルーヴィなバンドに演奏させて「Until You Come Back To Me (That's What I'm Gonna Do)」とか思いっきり歌わせてみたいなあ。
posted by しんかい at 00:44| 東京 🌁| Comment(6) | TrackBack(1) | 新譜レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

The Best of Mandy Moore by Mandy Moore

Best of Mandy Moore

マンムーのベスト。
まず、企画自体に無理がある。
アイドルとしてのデビューアルバム。案外売れなかったので曲を追加したりして出し直した再デビュー盤。背伸びしてイメチェンを図ったセカンドアルバム。そして、3作目であり、絶妙の選曲が世のオヤジたちを虜にしたカバーアルバム。
カバーアルバムと出し直し盤を数えないと、2枚しかアルバムを出していないのである。いくら何でもそれでベスト盤は。

まあ、こういう場合たいていは「レコード会社が勝手に企画して出してしまった」というパターンである。今回もそのようで、マンムー自身はまだベスト盤を出すには早すぎると考えていたようだ。

しかしマンムーである。とりあえず、気になる。
何が気になるって、前作、カバーアルバムのあまりの出来の良さである。あれを経た今の彼女なら何かやってくれるんではないかと期待がふくらむ。
しかし、やっぱレコード会社主導で作られたこのベスト盤には新曲は含まれず、その期待は空振りに終わった。サントラの曲を収めていたりもするので便利だが、実はそれだけではこれは「買い」ではない。

...そう、おまけつきなのだ。これまでの全ビデオクリップ集DVD付き。8曲のビデオクリップとスタジオライヴ4曲。ブリトニーのようにビデオクリップ集を別売りして小銭を稼ぐ、なんて立場ではないことは本人たちも重々承知しているだろう(ビデオクリップ集って過去に作ったものを寄せ集めるわけで、新規に費用は発生しないのだから、これを単独で商品にできれば、商売的にはすごくおいしいと思う)。

どうもamazon.comでもamazon.co.jpでもDVD付のアメリカ盤が検索できないのが気になるが、日本盤は若干高いながらDVD付/なしの両バージョンで出るようなので、とりあえず手に入らないということはなさそうだ。
私はHMVの店頭で購入した。これも、こないだのライヴのベストと同様、見つけた瞬間手に取っていた(笑)。
posted by しんかい at 00:40| 東京 🌁| Comment(2) | TrackBack(2) | 新譜レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月23日

フロム・ダスク・ティル・ドーン / From Dusk Till Dawn

From Dusk Till Dawn

これはそのスジでは有名な作品。
ロバート・ロドリゲス監督、クエンティン・タランティーノ脚本。
銀行強盗をした兄弟が一般人のキャンピングカーをカージャックしてメキシコへ逃亡する前半。ハードボイルドなロードムービー風だ。キレまくりのタランティーノもいい味出してるし、何と言ってもジョージ・クルーニーがかっこいい。1996年のこの時点ではもっぱら「ER」のテレビ俳優としてのみ知られていた人だと思うので、ここで演じたクールな犯罪者役は、後に彼がそういう役を多く演じるようになるにあたっての布石になったのだろう。
案外あっさりメキシコに逃げ仰せた彼らは、メキシコの案内役とある店で待ち合わせ。店ってのが酒と女と暴力が支配する、マンガのようなコテコテの店で、ここで少しだけ非現実感が出てくる。ダンサーとしてセルマ・ハエックが登場、彼女が踊り終えた後、突如吸血鬼(というか化け物)に変身し、タランティーノにかみつく。これを号令に、映画全体が突然B級ホラーになる。
実は音楽ではこの手法は珍しくない。70年代のポール・マッカートニーの大ヒット曲なんてみんな前半と後半が別の曲みたいなのばっかりだし、クイーンの「Bohemian Rhapsody」とか、フーあたりが得意なロック・オペラとか、曲の途中でいきなりコード進行も雰囲気もがらっと変わる、というのはそんなにレアな例ではない。
しかし、映画となるとなかなか思いつかない。明確にPart1とかPart2とか分かれてるわけでもなく、突然雰囲気がガラっと変わってしまうのだ。
後半はただひたすら店の中でヴァンパイヤと戦ってるだけなのでストーリー的には単調でちょっとダレるが(恐くないし)、戦いが終わって店の外に出ると、また前半のハードボイルドな雰囲気に戻る。
ロドリゲスとタランティーノの「遊び心」だとされるこの大胆な構成は、何の予備知識もなく初めて見た時以来強烈に印象に残っている。
音楽のカッコよさも大きなポイント。メキシコのテックスメックスとテキサスのブルーズが混然となった、どろっとディープな世界。なるほどこういうところでスティービー・レイ・ヴォーンやZZトップは叩き上げられたのね、と思わせるぐらいハマってる。
かなり好き嫌いは分かれるだろうが、これは一見の価値のある作品。

1996年米
posted by しんかい at 19:04| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(2) | 映画レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

フレディ vs ジェイソン / Freddy Vs. Jason

Freddy vs Jason

今はエイリアンvsプレデターだが、これをWOWOWでやってたもんで。
「エルム街の悪夢」シリーズのフレディと、「13日の金曜日」シリーズのジェイソンが初共演。
1984年から1991年までに7作が作られた「エルム街」と1980年の第1作から2001年の「Jason X」まで10作が作られている「13金」。今調べたらどちらもえらい長寿シリーズだった。まったく... ま、どうりで、いままでほとんどマトモに見た記憶がないのに、両キャラのことは何となくわかっているわけだ。

別々のキャラを共演させてしまうのは決して目新しいことではなく、日本の特撮ヒーロー番組でも時々やってることだし、「ゴジラ対ガメラ」なんてのもその類だろう。これも、同じノリである。化け物どうしの戦い。恐い奴と恐い奴が出て来たからって恐さが2倍になるかというと全然そんなことはなく、どちらかというとアクション・コメディっぽい仕上がりとなった。
フレディはやたら饒舌でひょうきんだし、主人公(人間)たちがやたらと説明的な台詞で状況を説明してくれるので、両シリーズの前提知識がなくても大丈夫。だいたい不死身のはずのフレディとジェイソンが闘うんだから何を目的にやってるんだからよくわかんないし、終盤ぐらいでジェイソンが攻撃されまくって動かなくなったところで安心するほうもおかしいのだ。死なないんだってば。
しかし、もちろん、本気でそんなことを突っ込んではいけない。これは怪物どうしの戦いのアクション映画。工場の中でジェイソンがぼこぼこに投げられまくるところなんかは斬新で(人間にこんなことしたらすぐ死んじゃうので、化け物が主人公じゃないとこんなシーンは作れない)、それなりに面白い部分もある。
話の流れが強引で、「なぜそこでそうするんだ!」とツッコミどころ満載のところはこの手のホラーのお約束。意味なく女の子が裸になるのもお約束。それらのお約束を、形通りに楽しむのが、この映画の作法だろう。まあ、それにしてはホラーっぽさはあまりなく、ちょっと血とかスプラッター的な場面の多いアクション物、という感じ。このタイトルを見た瞬間に下らなさは覚悟すべきであり、それでも尚見る気が起きる人なら、見て損はないだろう。

そうそうすっかり書き忘れていたが、洋楽ファンにとって見逃せないのはデスチャのケリー・ローランドの出演。意外としぶとく生き残るが、最後のほうで主人公たちがジェイソンに襲われそうになるのをかばおうと、ジェイソンの気を引くために悪口攻勢。あんたそんな斧ふりかざしちゃって、実は自分のモノに自信がないコンプレックスなんでしょ〜とか。凄い。ジェイソン相手に...。一瞬たじろいだようにも見えたジェイソンだが、その一瞬後にはケリーは無惨に吹っ飛ばされて血を流していた...
posted by しんかい at 18:23| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(8) | 映画レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

華氏911 / Fahrenheit 9/11

Fahrenheit911

映画のDVDを買うことは、あまりない。どうせしばらく我慢して待ってればWOWOWでやってくれるから。でもやっぱりこれは買わないわけにはいかなかった。
マイケル・ムーアみたいな人が居てくれることは、我々にとっては救いだ。
先日のアメリカ大統領選も、アメリカ人以外に投票させればどの国でもブッシュは勝てない、とよく言われた。それは、ケリーがいいというわけでは決してなく、「とにかくブッシュはダメ」「ブッシュ以外なら誰でもいい」という、もはや嫌悪と言ってもいい感情の現れだった。
つい昨日もAPECとOPECの違いをわかってなかったとか、訪問先のチリ大統領が主催する晩餐会で出席者のボディチェックを強行に要請したためラゴス大統領を激怒させてしまったとか、その無知と俺様ぶりは留まるところを知らない。ブッシュ再選以来、カナダ移住を求めるアメリカ人によるアクセスでカナダ政府のサイトのアクセスが急増しているとか、とにかく酷いことになっている。
これだけダメダメな空気が支配する中でも、ブッシュは再選した。まったくアメリカ人というやつは。
ハリウッドは伝統的に民主党支持だとよく言われるが、今回の選挙戦でもミュージシャン、とくにロック系や黒人のほとんどは反ブッシュの姿勢を明確に示した。だから、若者たちに対してそれなりの影響力はあったはずだ。「Rock Against Bush」なんてCDが発売され、こんな映画も公開され、急遽DVD発売もされた。「華氏911」。

マイケル・ムーアのドキュメンタリーは過去の作品も一通り見ているが、今回はムーア本人の出番が少なく、突撃取材的な、エンターテイメントの要素があまりない。まあ、ターゲットが大統領だけに、突撃取材なんてやろうにもできなかった、というだけのことかもしれないが。
この映画/DVDのレビューも、ほとんどが作品そのものについてのレビューではなく、彼らなりのアメリカ観が語られていたり、政治的なドキュメンタリー映画がいかにあるべきか述べられていたり、みんながちょっと過剰にマジになっている。マイケル・ムーアってもうちょっとお笑い系の人じゃなかったっけ?世の中の不条理を鋭く突きつつも、それがエンターテイメントとして成立しているからこそ、みんなが支持してきたんではないか?どうも今回はムーアも、この作品も、この作品を支持する人たちも、マジになりすぎているので、ちょっと引いてしまう。
もちろんアメリカに実際に住んでいる人や、アフガニスタン人や、イラク人や、現地に飛ばされている兵士たちは、そんなことは言ってられない。マジになって当然である。でもアメリカとイラクが世の中のすべてじゃないわけで。人権の弾圧や主権国家の侵害を云々と言うのならチェチェンやチベットを忘れたフリして放っておいていいのか?イラク、イラクと言い過ぎてもうアフガニスタンのことなんか忘れてないか?

今のムーアには、一般大衆に「疑いの目」をもたせることができる力がある。だから、おおいに新ブッシュ政権と闘って欲しい。そして、ムーアのような人が、もっと世界の各地から出て来て欲しい。
更に、彼が提供する情報をもとに、自分で考え、自分で行動できる人間が増えることを願ってやまない。ムーアは、私たちに何も答えは与えてくれない。多少の脚色はあるにせよ、彼の作品はドキュメンタリー。事実をそのまんま報じるだけだ。それをどう理解し、どう行動するべきか考えるのは我々である。
posted by しんかい at 14:50| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月21日

四川料理 in 北京

Niku Nikomi Aona Miso

日本で中華料理屋に行く場合、たいていの場合は「定食」以外は注文しない。単品もメニューにたくさん載っていて、それぞれに魅力的なのだが、一品1000円とかする。ちょっと、普段の食事で食えるような代物ではない。
でもやっぱり本場。北京で食うと、一品10〜30元ぐらいが多い。1元が13円ぐらいなので、ちょっと高めのものでも300円。普通は100円台だ。だから遠慮せずにばんばん注文できる。もちろんそれは現地人向けの店の値段であって、ホテルの店なんかだと日本とあまり変わらないのだが。
今回の北京訪問でいちばんおしいかったのは四川料理屋。北京で四川料理ってのは実は本場のようで本場ではないが、そこはやっぱり首都。東京にはあらゆる地方出身の人がいるのと同じように、北京には中国のあらゆる地方から人が集まっている。特に中国の場合は東海岸の大都市とそれ以外との経済格差が大きいことから、地方から出稼ぎ的に出て来ている人は非常に多い。だから、四川料理屋は、本場・四川省の人間がやってると思ってほとんど間違いないらしい。おまけにそういう店は、その地方から出てくる出稼ぎ労働者の受け入れ口になっているので、店員までいちいちみんな四川出身者だったりする。
中国南部に位置する四川。まあ、言ってみれば、東南アジアに近い地域。なので、その料理は、辛い。代表的なのは麻婆豆腐だろう。今回とくにおいしかったのは、牛肉を辛いスープでやわらかく煮込んだものと、青菜の味噌あえ。どっちも正式な料理の名前はわかんない。前者は肉がとろけるぐらいにまでやわらかく煮込んであって、スープは油ギトギト。唐辛子たっぷりで辛く味付けされたスープには更にニンニクが大量に加えられ、めちゃめちゃ濃い一品だが、これはもうご飯が進みまくる逸品。日本ではお目にかかったことがないが、きっとウケると思う。
後者は、ちんげん菜のような野菜に、濃いめの味噌タレをからめたもの。
とにかく中華料理はシンプル。多くの料理は、素材を炒めただけのもの。それがこれだけ美味いのは、素材の組み合わせの妙によるところが大きい。中国4000年の歴史とか言うが、まあ4000年は大げさにしても、長い間の経験から素材と素材の、そして調味料とのベストの組み合わせが編み出され、料理として確立してきた。
相当油っこいので毎日食ってると健康に影響しそうだが、でも食い飽きるということはなさそうだ。
posted by しんかい at 01:27| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | アジアネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月20日

フォスターペアレント

フォスターペアレントになることにした。
以前からその存在は知っていたが、何をどうすれば良いのかわからなかった。最近電車の広告で時々見かけるようになったので、ようやくウェブサイトを覗いてみた(http://www.plan-japan.org/。どうしてもっと直感的にわかるURLにしないんだろう)

やっぱり、ここ1年ぐらい、仕事でアジアのあちこちに行って、決して豊かではない彼らの生活の様子を目の当たりにしてきているので、支援するのにも、相手の実情がわかるというか、イメージがわかるというか。
これまで訪ねたアジアの国の中でだんとつのお気に入りはタイなのだが、世間一般レベルでタイに男独りで通うというのは、あの自由でいいかげんな雰囲気に魅せられたバックパッカーか、買春目的、と考えられてしまうとう悲しい現実がある。
確かに、一部はかなり裕福になってきてはいるものの、バンコク市外などはやはり依然生活レベルは低く、生活のために売春せざるを得ない人々がいるのは事実だ。だから、フォスターペアレントの申し込みにあたっても、タイ人の女の子を指定した。私が毎月ほんの何千円かを支援するだけで、一人の人間がマトモな人生を送れるのなら、安いもんである。やっぱり行ったこともない遠いアフリカの国よりは、実際に自分がその土を踏み、その地に育ったものを食い、その地の人たちを言葉を交わしてきた国のほうが具体的なイメージがわくし、彼らにとって月に数千円という金額が決して小さなものではないこともよくわかっている。
ある種の自己満足なのかもしれないが、自己満足しつつ人助けもできるんなら別にいいじゃん。ね。

寄付とかボランティアって人にペラペラしゃべったりせずに、黙って、そっと黙々と続けるのが日本人的には美徳だと考えられてる気がするのだが、私はこうやって人に紹介して、「気づき」を促したい。今までなんとなく興味はあったけど、別に何も具体的なことをせずにいた、という人も何百人に一人かはきっといて、その人は上のURLをクリックするだけで、具体的な情報にたどり着けるわけで。
何にも人に押し付ける気はない。人はそれぞれ自分の頭で考え、自分の考えに従い、自分が正しいと思うことをすべきだと思う。だからこの件も、私は「おすすめ」はしない。紹介だけ、しておく。
posted by しんかい at 15:01| 東京 🌁| Comment(1) | TrackBack(1) | アジアネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

北京 その1

北京からの帰りの飛行機で途中まで書いたのでいったんアップしておきます。




いやいやしかし慌ただしかった。って私の出張はいつもこんなもんですが。
17日夕方に現地入り。この日は実質飯食っただけで終わり。夜は容赦なく日本から仕事のメールが舞い込み、結局深夜2時まで資料作りという、馬鹿な目にあった。

18日。中国政府を訪問し、これまでメールでご連絡してきたがあまり巧く伝わっていなかった件についてご説明し、ご了解いただき、実際に動いていただける人物を紹介していただき、実際にその人にお会いし、また主旨等ご説明し、ご了解をいただく。ここまでを、1日で済まさなければいけない。もう本当にイチかバチかの賭けのようなもんだが、さすがに政府の人はこれまでにも面識があることもあり、割とすんなりOKしてくれ、その場でほうぼうに電話をかけまくって適任者を紹介してくれた。

当日昼すぎに無理矢理アポを入れてもらい、紹介してもらった大学へ。
なにしろ12億人を抱える国なので、色んなところが地方政府ー中央政府の二重構造になっている中国。今回訪問したのは、各地方にある同種の大学を中央で束ねる、中国の中枢となる機関だ。
政府の人が直接紹介してくれたのは国際協力担当の人だったのだが、大学に行ってみるとその人以下5人ぐらいが待機しており、なんと大学の副校長先生までもが。
よく、政府の偉い人なんかが会談する部屋は、部屋の壁沿いにソファがいくつか並べられていて、まんなかにテーブルが置いてなかったりする。資料を広げたりメモをとったりというセコい会議ではなく、「会話」をするための会議室。そういう部屋に副校長先生と通されると、さすがにちょっと緊張。
副校長先生は朗々と学校の取り組みについて紹介し、こちらからも主旨を説明。そして副校長先生の「よろしい。あとは○○さんと詳細を話しなさい」の一言で交渉成立。にこやかに握手を交わし、部屋を去る副校長先生。いやー見た目はフツーのおじさんだが、なんかカッコいいなあ。

その後彼らの取り組みについてプレゼンを受けたり、こっちの要望の詳細を話したり。e-Learning教材の開発現場を何度か見せてもらっているが、中国のそういう現場は、とにかく若い人が多い。ほとんど全員が20代だろう。彼らが一人一人ゆったりとした作業スペースを与えられ、黙々と作業する姿は凛々しい。どういう事情なのかわからないが、日本では「ソフト開発」の現場といえばかならず分厚いドキュメントが存在し、机の上には紙が散乱しているものだが、中国ではほとんどの人の机の上はパソコンと、使い込んだノート一冊だけ。ISO9001的には日本のやり方が多田しいのだろうが、それが本当にベストの選択肢なのかどうかは、正直なところ私にもよくわからない。

その後さらにもう一件、以前から親しくしてもらっている某エリート大学の先生を訪問。中国では案外学歴はモノを言わないらしいが、やはり超エリート校となると別格。歩いてる学生たちもいちいち賢そうに見える(これは半分気のせい)。
その後飯を食ったらもうすっかりいい時間。結局、観光はおろか買い物さえする時間もなし。
いっぱい移動はしたので、北京の街並みは存分に見て来たが、やっぱりこの街は巨大であるが故にとても個性的だ。
北京市の面積は、四国の面積に匹敵する。最初そう聞いて、そりゃあ何かの勘違いだろうと思った。が、本当らしい。
郊外まで含んで1400万人が在住するらしいが、それが四国ほどの面積に点在するのならば、人口密度は東京なんかとは比較にならない。とにかく、ひとつひとつの建物が余裕をもって建てられ、緑が多く、道が広い。例えば丸の内や大手町なんかのイメージに近いが、建物を新たに建てる場合、その土地の40%は緑地にしなさい、という条例か何かがあるらしく、とにかく緑が多い。バンコク並みの大渋滞でも、あれほど排気ガスがひどい気がしないのは、この緑と、余裕のある街づくりの賜物だろう。
もともとは京都さえもがこの街をお手本にしたというぐらい、縦横に整然と並ぶ道路。片側6車線の道路には常に車が流れる。
(いったんここまで)
posted by しんかい at 14:31| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | アジアネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月17日

from Narita to Beijing

毎度。今成田空港におります。出発まで数十分、若干の時間つぶし。
なんと今回、空港を利用して初めて、出国手続きのカウンターに一人も並んでいなくて一秒も待たずに手続きが済んでしまうという事態に遭遇。
で、今から北京に向かいます。もちろん仕事で。
また色々写真とってきてここでご報告しましょう。今回のホテルはネット事情が不明なので、現地から投稿できるかどうかは不明。

今、成田空港のYahoo! Cafeというところで書いているんだけど、こんなの今まで知らなかったよう。パスポートさえ見せれば無料で使えるし、非常に落ち着いた雰囲気なので、航空会社のカウンターにも見劣りしない。まあ飲み物がタダとかいうことはないけど。また次も利用しようっと。
posted by しんかい at 14:16| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | アジアネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月16日

London Calling by The Clash

London Calling

トラヴィスの記事で触れてしまって、「いつかは書かねば」という思いが再燃した。この際だ、書いてしまおう。ザ・クラッシュ、「London Calling」25周年記念盤。
オリジナルアルバムに加えてデモ・トラック集と、レコーディング風景などを収めたDVDがセットになった3枚組。確かに歴史のお勉強的な意味でデモ・トラック集も興味深くはあるのだが、やっぱりこのオリジナルアルバムの輝きに勝るものはない。

今でもお気に入りの逸話がある。
このアルバムは本国イギリスでは79年のリリースだが、アメリカでは数ヶ月遅れて80年2月の発売だった。だから、アメリカを代表する音楽雑誌「Rolling Stone」誌が、「80年代のベストアルバム100枚」で、このアルバムを第1位に選んだことも、決して間違いではなかった。しかし、その知らせを受けたジョー・ストラマーは、喜ぶよりも何よりもまずこう応えた。「ばかたれ。あれは79年のアルバムだ」

大学生時代にこのアルバムを初めて聴いて以来、これを越える作品には未だに出会っていない。ヴァン・モリスンの何枚かのアルバムや、「Beggar's Banquet」や「Ziggy Stardust」など、いくつかこれに並べてもいいぐらいの作品はあるが、これを越えるものはない。私が洋楽を聴き始めて以来、いったい何千枚のアルバムをこれまで聴いてきたのかよくわからないが、その頂点に立つ作品である。
同時に、その“良さ”を言葉で表現するのにこれほど苦労する作品もない。色々表現を考えるのだが、結局「かっこいい」という言葉に行き着いてしまう。
ただ、まあ、ロックってのはそういうもんだよな、とか思ってみたり。
決して、これは誰もが気に入る作品だとは思っていないし、聴いてみたけど良さがわからなかったという人がいても、私はそれはごもっともだと思う。ただ、いったん波長さえ合ってしまえば、私と同様、これを越える作品はないと断言できるはずだ。
posted by しんかい at 02:30| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 新譜レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Singles by Travis

Travis Singles

トラヴィスの「The Man Who」には参った。こんなに繊細で美しくも力強いロックを聴いたのは、本当に何年かぶりだった。私はこういう執筆活動とかやっているので、1年に聴く新譜の数は(きちんと数えてるわけではないが)100枚は下らないはずだ。つまり、私的には、「The Man Who」は何百枚かに一枚、というぐらいの素晴らしい作品だった。
このベスト盤で聴いても、やはりひときわ輝いているのは「Driftwood」であり、「Turn」だ。
だから、「The Man Who」の後の待望の新曲で演歌ポップ「Sing」が登場したときには、ひどく落胆した。これは、セルフ・パロディというやつか?その次のアルバムの「Re-Offender」を聴いて、更にその思いを強くした。そして、もうこれは自分には縁のないバンドだと判断した。
で、ベスト盤の登場。そして、新曲「Walking In The Sun」。あれ、あの、狙いすぎた辛気くささがない。他愛ないぐらいの無防備な曲だが、この朴訥とした愛らしさこそがトラヴィスの味ではなかったか。

あの頃の空気は、彼らにも二度と表現できないだろう。歴史上どんなに偉大なミュージシャンでも、その頂点の時期の空気は、二度と再現することはできなかった。ローリング・ストーンズの「Beggar's Banquet」であれ、クラッシュの「London Calling」であれ、スティービー・ワンダーの「Innervisions」にしても、マイケル・ジャクソンの「Thriller」にしても。
バンドの波長が、時代の波長と奇跡的に一致したときにだけ放たれる輝き。幸運にもトラヴィスは、その輝きを手にした。たとえ過去の一瞬の出来事であれ、彼らは他の凡百のバンドとは違う次元に立った。
そう思うのは私だけかもしれない。それならば、それでもいい。それだけ大切な思いを抱かせてくれる作品を出してくれたことに、心から感謝したい。だから、やっぱり、このベスト盤よりも「The Man Who」のほうが、私にとっては“トラヴィスのベスト盤”であり続けるわけである。
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2004年11月14日

Greatest Hits: My Prerogative by Britney Spears

My Prerogative

私の年齢の人間としては当たり前のことなんだが(苦笑)、ブリトニーには年々興味を失うばかりである。いや、それは必ずしも私が「ブリトニーを聴いて楽しむような年齢ではない」せいばかりではない。
彼女なのか、或はそのスタッフなのか、とにかく派手な目立つことをやってトップ・スターとしての地位を保とうと努力しているのはわかる。が、マドンナをひっぱり出した「Me Against The Music」にしろ、ほとんど全裸でビデオクリップに登場した「Toxic」にしろ、とにかくインパクトが第一、みたいなところがハナにつく。
セカンドアルバム以降の彼女は、マスコミやファンが築いてしまったブリトニーという偶像に追いつくべく、もがいている少女の姿でしかなかった。そこにはスター性もアイドル性も感じられず、ただ物悲しさだけが感じられた。「Lucky」では少しそんなところを表に見せたりもしてみたけど、やっぱりそれは「私だってみんなと同じか弱い女の子で、独りぼっちで寂しいの」という姿を“演じて”いるブリトニーでしかなかった。
今のブリトニーを見ていると、「Erotica」へと向かって突き進むマドンナを見ているような気分になる。

などと全面否定しててもしょうがない。過去のmeantimeを読んでくれてる人ならご存知の通り、私は決してブリトニーは嫌いではなかった。「Sometimes」のあまりの名曲ぶりには平常心を失い、セカンドアルバムで離れた興味も、ちょっと切なげな3作目で少し持ち直した。で、それ以降が、上に書いた通り。
しかしこうしてベスト盤で聴いてみると、やっぱり彼女はこの時代のトップスターとして相応の扱いを受けているのだと改めて実感する。楽曲の質のレベルが均一だ。つまり、アルバムからの第1弾シングルだからといって他よりすごく良い曲ってわけではないし、第4弾だからイマイチということもない。こうして並べて聴くに耐えるだけの楽曲を、常に与えられている。

ボーナスディスクがつくのは初回だけだろうし、値段も安いし、とりあえず買っておくか、と買っておいた。
馴染みのある曲ばかりなのにあまり楽しめないのは、単純にどの曲も聴き飽きているからなんだろう(今はCD屋に行くといやでも耳にするし)。何年か経って聴き返した時に、「ああああやっぱSometimesって名曲だよなあ」と感動したいものである。
posted by しんかい at 21:40| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 新譜レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

eMOTIVe by A Perfect Circle

eMOTIVe

ア・パーフェクト・サークルって一時的なサイドプロジェクトなのかと思ってたら順調に作品を重ねて、もう3作目。今回は元スマパンのジェームス・イハを正式メンバーに加えて... なんていう情報は他のサイトに譲るとして。カバー集である。オリジナル曲も2曲あるが、それ以外の10曲はカバー。それもジョン・レノンの「Imagine」とか、マーヴィン・ゲイの「What's Goin' On」とか、エルヴィス・コステロの「Peace, Love & Understanding」とか、およそ彼らの音楽性とは結びつきそうにない楽曲が多い。これらの畑違いの曲をすっかり彼ら流にアレンジしてしまったのは見事。一言で言うと、暗い。半音ずらしたメロディ、静寂の中に響く乾いたドラムス、囁くような、つぶやくようなボーカル。
聴く前に曲目を見て、この曲だけはどんな感じか想像がついた... つもりだった「When The Levee Breaks」(トラッド、レッド・ツェッペリンのバージョンが有名)はピアノ基調の静かな曲になっていたり、ジョニ・ミッチェルの「Fiddle And The Drum」なんか最後まで全部アカペラのコーラスだったり、まったく予定調和を許さない、聴き手に緊張感を強いる作品である。
ブックレットのイメージは、よくSF映画に登場するような、瓦礫と化した都市。まさに、こんな風景の中で鳴っているような音。決して轟音に訴えるわけではなく、抑制の効いた音が、ほどよく緊張を高める。

で、これが単に「意表を突いたカバー集」だったらしょうもないのだが、これまで挙げた何曲かでも明らか通り、ここには明らかなメッセージ性がある。それはもうバンドのロゴマークと並んでピースマークがあしらわれたジャケにも明白だ。
いまどき、「Imagine」や「What's Goin' On」をかっこよくカバーできるなんて、本当に基調な個性だ。

amazon.comのカスタマーレビューにも他の作品より多くの声が寄せられて、いかにこのアルバムがコントロヴァーシャルなものであるかを物語っているが、そのレビューの大半が星一つか星五つ、つまり「最悪」か「最高」か、どちらかの評価に偏っているのが面白い。
posted by しんかい at 20:41| 東京 ☁| Comment(19) | TrackBack(0) | 新譜レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月12日

Greatest Hits 2 by Toby Keith

TOBY GH2

待ってました。
トビキーのベスト第2弾。すなわち、ポップチャートでもヒットを出し始めてからの彼の集大成。カントリー云々ではなく単純にポップソングとしてセンスのいい「How Do You Like Me Now ?!」も、「I'm Just Talkin' About Tonight」も、カントリー・ラップの「I Wanna Talk About Me」も、ウィリー・ネルソン親父との酔っ払いデュエット「Beer For My Horses」も、もちろん物議を醸したあの「Courtesy Of The Red, White And Blue」も収録。この一曲でトビーのことが嫌いになったという人は私の身のまわりに多いが、私はあまり目くじら立てるつもりはない。むしろ彼のソングライティングのセンスも、歌声も、かなり好きだったりする。

3枚のヒットアルバムからそれぞれ3曲。新曲3曲、さらにライヴ音源2曲。計14曲で50分とやや物足りない。そういえばもっとヒット曲が多いような気が... とよく考えてみると、実は最新のオリジナルアルバム「Shock'n Y'All」から1曲も収録されていない。はて。まだまだオリジナルアルバムのほうを買わせようという魂胆なのか、ちょっとこの売り方は意地汚いな。これだけいい曲ばかり揃ってる、いいベスト盤なのに、変なところでケチるなよ。もったいないぞ。

新曲もいい。とくに軽快でちょー爽やかなポップ・ロックの「Stays In Mexico」は素晴らしい。
「Courtesy Of 〜」で彼にバッテンをつけた人も、毛嫌いせずにぜひ聴いて欲しい。ほんと、こいつはソングライティングのセンスはあるって。確かにアメリカの覇権主義は気に入らないが、ブッシュを嫌うのと同じレベルでこいつを嫌ってはいけないと思う。しょせんは単なるエンターテイナーなんだから。どちらかというと私は、「俺様の国」をそれだけ自信たっぷりに誇らしげに歌ってしまえる、そんな国民がちょっと羨ましかったりする。ハッタリでもいいから日本人にもそんなこと歌って欲しいよ。
posted by しんかい at 01:47| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 新譜レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月10日

Awake - The Best of Live by Live

Awake by Live

あ、これは買うでしょ。
と見つけた瞬間に無条件に手に取ってしまった。ライヴ(バンド名)のベスト盤。いや、もともとこのバンドは好きなので、オリジナルアルバムは全部持っている。なので、一応新曲も入っているが、「ライヴのベスト盤である」こと自体は、購入の決め手ではない。
ずばり、おまけDVDである。
いや、こうなってしまうとどっちがオマケなのかわからない。CDは彼らの代表曲を一通り網羅して新曲も加えて19曲。さらにこれに付属するDVDが、ビデオクリップやライヴ映像18曲22バージョン、収録時間90分超という大盤振舞い。決して日本で人気が高いバンドでもないのでビデオクリップを見る機会もあまりない。少なくとも、ファーストアルバムからの曲は私は今回初めて見た(ボーカルのエドが笑えるぐらい若々しい)。
これだけ充実したパッケージで、レコファン実売価格1890円。買わない理由がない。

私は、セカンドアルバム「Throwing Copper」がチャートインからまる1年かけてじわじわとチャートを上昇し、ついにNo.1の座にまで昇りつめた、商業的なピークの頃のライヴには、実はそれほど興味はなかった。むしろ、なぜ売れるのかよくわからずにいた。確かに「Selling The Drama」は名曲だし「All Over You」とか大好きだが、なんというかフツウのロックで、1位になって何百万枚も売れるような作品だとは思えなかった。
次作「Secret Samadhi」で認識が変わった。こいつら、凄いかも。
その認識は今でも変わらない。このアルバムはハードでやや難解なところがあるが、圧倒的なカリスマ性がある。ちょうど、トゥールのような存在感だ。
以後彼らのアルバムは完成度が甘くなり、商業的にも落ち目になるが、やっぱりいい曲をやっていて、どうしても気になる存在であり続けた。今年は思い切って産業ロックに徹した「Heaven」がヒットしたりして、少し人気が持ち直したのかな?と思ったところでこのベスト盤の登場。
本当は、せめてマリマン並ぐらいには売れて欲しいけど、きっと全然売れないだろうなあ。
いや、まあ、それはいい。この超お得パッケージは、「Selling The Drama」でも「I Alone」でも「Lightning Crashes」でも「Run To The Water」でも「Heaven」でも、1曲でも好きな曲があれば買い。きっとDVD付盤が出回るのは発売当初だけなので、早めにゲットしておこう。
posted by しんかい at 00:47| 東京 🌁| Comment(9) | TrackBack(2) | 新譜レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月01日

スイカジュース

Watermelon Smoothie

いやーこれについて書き忘れてたとは。この8月にタイに行ったときの写真。このピンクのシェイクっぽい飲み物は、前から私が絶賛しているスイカジュース。正確にはスムージー。
いかにも人工着色料っぽいし味も明らかに甘みを足しているんだが、そんなのはタイでは当たり前のこと。とにかく「スイカジュース」の美味さを堪能して欲しい。スムージーのしゃりしゃりした感じが本物のスイカに似ていて、しかも味は本物のスイカからすっぱさを除いて甘さを足したような、お菓子のような代物。
タイやシンガポールなどではかなり普通にどの店でも飲めたので、東南アジア方面に行く人はきっと接する機会が多いと思う。ぜひチャレンジを。
但し、スムージーということで氷を使っているので要注意。現地の水は、ダメな人は本当にダメなようなので。私はダメだろうがOKだろうが、現地の人が毎日飲んでるものなんだから死ぬはずがないという思い込みで、気にしないようにしている。初めての東南アジアではさすがに色々聞いていたので、歯をみがくのにもミネラルウォーターを使っていたが、だんだんめんどくさくなって普通に水道水を使うようになった。何となくへんな菌とか入ると恐いなーという漠然とした思いから、コンタクトをすすぐのだけはミネラルウォーターを使っている。
確かに旅行中腹を下し気味になることはあるが、毎日スパイシーなタイ料理を食えば、それは当たってなくても腹は下すだろうし、ただでさえ異国を旅行するというストレスのたまる環境に加えて暑さもあって、体調は万全ではない。なので、多少不調になるぐらいはむしろ当たり前。過信して手遅れになるのがいちばんヤバいが、ちょっと腹を下したぐらいで「ああ、どうしよう!」とせっかくの現地の料理を避けてしまうなんてのは愚の骨頂。自分の体を自分がいちばんよくわかってるんだから、行けそうかどうか自分でちゃんと判断して、オウンリスクで冒険しよう。
posted by しんかい at 01:41| 東京 🌁| Comment(2) | TrackBack(0) | アジアネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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